第42首
静寂の一日（ひとひ）の間暇埋めるため
クロスステッチひと針一刻
あと何回朝を迎えたら
胸にチクリと痛みを覚えずに
瞼を開けることができるのだろう
あと何回夕陽が海に落ちるのを見たら
ため息をつかずに
「お休み」を言えるのだろう
ぽっかり空いた心に
何を描いたら良いのだろう
この先の人生を
何色で絵取れば良いのだろう
小さなもので埋めていく
短い時間を積み重ねていく
生成りの布に
ブルーの糸で
ひと針クロス
一刻が過ぎる
オレンジの糸で
ひと針クロス
一時が過ぎる
ひと針一刻
ひと針一時
ひと針一刻
ひと針一時
・・・・・
時が経ち
ウィンターローズ
オークグリーン
向日葵色
若竹色
菫色
私の1日に
色彩が蘇ってきた
人は生を得て
やがて死を迎え
月日はめぐり
時代はうつろう
コスモス（宇宙）が処方してくれた
「時間薬」は万能薬だった・・・
では、また。
ご機嫌よう
