2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧
第53首 水流に抗いもせずしなやかに ぷかーりぷかり日がな海月よ ぷかーり 「こうあらねばならない」 そんな鋼でなくて良い 海月 海の景色が変わったら その色に染まって生きていけば良い 流されたなら そこの海水を纏えばいい 岩があったら 避けて漂うだけ…
第52首 それぞれの「転」が如何にあろうとも 全てのものは「結」へと流る 結へと流る 遺言書を整え 法務手続きも完了 一冊のファイルにまとめて 保管場所を提示 残される者の負担は最小限に 多少の片付けはお願いして 今できる身辺整理は終わった そうしたら…
第51首 陽春に君が薄れていきそうで Mahler(マーラー)二番を流して歩く 陽春 日常生活 ふと一人の生活に慣れた自分を発見し 動揺する 消えてしまう・・・ 遥か彼方にある 手の届かない あの日々を呼び戻したくて 夫が好きだった マーラー交響曲第2番 「復…
第50首 裏庭の桜風舞う様さえも 知らず過ぎゆく介添えの春 二年前 夫と共に過ごした最後の春 景色は花瓶にいけた花 病室の壁 知らないうちに 桜は散ってしまった 昨年は 沖縄で海を眺めながら 春をやり過ごした 今年は 春を感じた 桜を見上げてみたいと思っ…