第7首
寡婦となり帰宅する吾(あ)を迎えしは
氷室と化した広きリビング
2019年4月
夫とホスピスへ行くために
玄関の鍵をかけた
ここへ2人で戻ってくることはもう無い
涙がこぼれた
しかし
運転しなくてはならない
無事に
ホスピスまで
たどり着かなければならない
深呼吸して
アクセルを踏み込む
・・・2ヶ月後
1人で戻った私は
玄関の前で足が竦み
しばらく玄関を開けることが
できなかった
家に入ることが怖い
私を待ち受けているのは何か・・・
夫の闘病生活の時間が
止まったまま
そこに存在していた
空気も物も・・・
息苦しい・・・・
冷たい・・・
事務手続きやら
物の片付けやらで
1週間が過ぎた
何故、夫がいないのか
心の整理がつかない
ここに座っていたのに・・・
ここでコーヒーを飲んでいたのに・・・
ここで絵を描いていたのに・・・
1番大切なピースが足りない
そのピースは
もはや永遠に埋まることはない
思い出が
あちらから
こちらから
朝から夜中まで
飛び出してきて辛い・・・
これからどこで生きていこう
心を落ち着けるために
ホスピスを一時退院する際に
借りていたマンションへ
急遽移動した
現在、賃貸マンションに住んでいる
家へは時々
管理のために赴いているが
宿泊はしない
私に何か起こった時
一軒家に住んでいたのでは
連絡が取れなくなってしまうと
心配している息子が
マンションに住むことを
強く勧めてくれた
住めば都だが都を見つけるのは自分
今までに国内6カ所
海外2カ所で生活してきた
住処を変えることに
抵抗はない
寧ろ、夫も私も
その時々の状況に適した所に
住む方が良いと考えてきた
子供たちが独立した時も
私たちが早期退職した時も
住処を変えたのは
そう考えたから
その国、その土地で
知り合いは出来るし
楽しいことも見つけられる
住めば都
しかし、その都を探し出し
作り上げるのは私
「優雅」に暮らすために
自分の都を見つけなくてはならない
今回からは、1人の都探し
ヤドカリの宿探しの始ま
後日、顛末をお知らせ致します
本日はここまで
ご機嫌よう
付記
マンションに住むことは下記の理由で決めている
マンションの利点
・安心 帰宅が遅くなっても建物に灯が付いている
夜間も1人で住んでいる建物では無い
・安全 日中はコンシェルジュと管理人が常駐している
オートロック
マンション内に立ち入れる人が制限されている
・便利 宅配ボックス有り。24時間ゴミ捨てOK
共有部分は管理会社が清掃しているため清潔
親しくない来訪者はロビーで接客出来る
庭がないので、草との戦いが無い
・広さ 一人暮らしにあっている
不都合な点
・階上の音 物理的になくすことは不可能
2階で家族が動いていると考えることで心理的に解消
後日、顛末をお知らせ致します
本日はここまで
ご機嫌よう