車を断捨離したのは・・・
第16首
風を受けロードスターを運転す
夫(つま)の姿はまだ逞しく
Q: 今後、私の生活に自動車は必要だろうか?
夫が病に倒れた時
不可欠なものだった
治療のため
往復4時間
私は運転した
今
私が患っても
運転する人はいない
タクシーを利用するだろう
維持費を考慮すればなおのこと
マストアイテムではない
A:自動車は不要
愛車を手放すことにした
そこで
ディーラーとの初交渉となる
5社に査定を依頼し
初日は予行練習で1社
最早
運転したくないので
出張査定を依頼
交渉場所は、マンションのロビー
(第7首”住めば都”の都はいずこ?参照)
事前に同タイプの査定額をチェックし
「今日は査定のみで
査定額を基に息子と相談して
後日返事をする」
と告げておく
自社の査定額が基準となるので
中々、査定額の提示には至らない
でも、夫が
私の中でアドヴァイスしてくれる
「思い出せよ、俺のやり方
そばで見ていただろう。」
結果として
相場の価格よりも
高い買取価格が提示されたので
1社目で交渉を終え
その日のうちに
愛車は旅立って行った・・・
未亡人になった私が
一人で運転していても
楽しくドライブできるようにと
夫が治療中に
選んでくれた自動車だった
でも
一人では
楽しくなかった・・・
いろいろなことが
思い出され
運転中に涙が溢れて
コンビニの
駐車場を借りて
涙が止まるまで
やり過ごしたこともある
自動車だって
楽しんでくれるオーナーの元で
風を切って走りたいだろう
もうハンドルを握ることはない・・・
さようなら
黒いロードスター
では、また
ご機嫌よう。