第70首
夫（つま）逝きて 吾子と供養の旅を終え
一人静かに思い定むる
第71首
汝（な）の亡骸は海を漂ふ
「二人で旅をしよう」
息子からの提案だった
「お父さんとは大学生の時
青春18切符を使って二人で旅をしたけど
母さんとは旅行したことないから
年末年始にどこか行こう。
行きたいところを考えておいて。」
夫が逝ってから2ヶ月後のことである。
家族四人でいった金沢、伊豆
行ったことのない奄美大島
二人で旅行・・・どこが良いだろう
第72首
ビステッカをワインとともに食す息子（こ）に
幼き影を重ねて旅す
「どうせなら、食べ物のおいしいところがいいから
イタリアにしよう。ヨーロッパは行ったことないでしょ。」
まさかの海外旅行を提案された
「勧められたことにはトライする」
というスタンスで生き始めていた私は承諾
英語は息子にまかせておけば大丈夫
私は少しでも役に立とうと
それから4ヶ月
独学でイタリア語を学んだ
第73首
静寂の遺跡は語る断然と
太古も同じ母子のありしを
そうなのだ
太古から人々は
悲しみを乗り越え
生きてきた
私もそうあらねば
帰りの機中で
私は決意をする
独り立ちしなければならない
一人での暮らしを構築しなければならない
そのきっかけをもらったのだから
次週へ
Heaglesの旅程
12月28日 羽田空港発 仁川空港で乗り換え 15時間のフライト
12月29日 コロセウム・真実の口・トレビの泉・スペイン広場
12月30日 フィレンチェ
12月31日 バチカン市国
1月1日 カラカラ浴場・ナヴォーナ広場
1月2日 パンテノン
1月3日 ダヴィンチ空港発 仁川空港着 金浦空港へ移動 羽田着
