It's your turn 〜顔は知らねど〜
第24首
トコトコと階上(うえ)から聞ゆ足の音(ね)を
愛しく思う顔は知らねど
マンションの上の階に
小さなお子さんが住んでいるのだろう
トコトコと足音を感じることがある
23時頃の足音は
親御さんが
大変な思いをされているのでは
と考えてしまう
退社時間が迫ると
小さな呵責を感じ
「お先に失礼します。」と
職場のドアを背にした時の
ハードルを1つ飛び越えたような
安堵感は今でも思い出せる
休日出勤した同僚に
「昨日はお疲れ様でした。」と声をかけ
そそくさとその場を離れた時の
自分で作った疎外感も思い出せる
私はそうであった
後ろめたく職場を後にすることなく
堂々と保育園へお迎えに行ける社会であってほしい
上司も子育てをした
同僚も同じように育てられた
部下はこれから子育て期間に入る
社会のみんなで順番に担っている
そして
順番に子供は成長する
子育てを
次の人に譲らなくてはならない時期が
やがて来る
「あの時は、大変だったけど頑張った。」
と、振り返る日は
意外と遠くない
親業を卒業した私は
エールを送る順番にいる
「今を楽しんで!」
では、また。御機嫌よう。